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2007年2月10日アーカイブ

ここまでテストしてきて、RAの不調と高速駆動時のトルク不足の問題が残りました。私はヘラクレス赤道儀でスペック値ギリギリ?の60Kgの機材を搭載してます。これがトルク不足の原因なのですが、だからと言って載せる筒を減らしたくありません。さあ、何とか解決せねば…。

1.トルク不足の解決策

モータヘッドの減速比を落とせば、ppsも下がります。結果的に同じ倍速を出そうと考えると高速時の周波数を落とせるメリットがあります。でも、モータヘッドの減速比を落とすと、高pps信者の信条に反しますし、低速時トルクを犠牲にするのも、搭載量からって譲れません。逆転の発想で、モータヘッドの減速比を上げて、更に高トルクを選び、高速周波数は据え置いて速度を犠牲して、モーターを1/10ギヤヘッドの物に変更する事にしました。

2.RAの不調の原因

どうも、60Kgからの物体がブンブン回っているので、モーメントも相当なものです。モータ軸とギヤの間に埋め込んだシンチュウ部分で空転している可能性があります。今回のモータの交換時に、シンチュウのパーツを改良型に変更し、ギヤを止めるイモネジはシンチュウを貫通してモータ軸に対して直接止められるようにしましょう。

そして、私のヘラクレスは現在下記のスペックで動作しています。

ウオームホイル 195歯
減速比       3
モーターヘッド比 10

195×3×10×200×8=9360000
9360000÷86190=108.6pps

倍速は、24000÷108.6=221倍速

平成19年2月上旬にこの状態で、テスト中。RAの不調は、シンチュウのパーツ改造で収まった?ようですが、まだテスト数が少ないので引き続きテスト中です。トルク不足は、組み込んだ直後に一度DEC側で停止しましたが、その後は停止無しですが、これまたテスト数が少ないので引き続きテストします。私的には、どっちにしても60Kgは載せすぎなので、一連のテストが終了した段階で、高価ですが、根本的に高トルクのモータを導入しようか思案中です。


今回のパルス化で勉強になった事は、高ppsだけを追求すると、高速時の速度等が犠牲になったりとアンバランスな赤道儀になる事がわかりました。また、マイクロステップも物によっては正確に動作せずに、それを誤魔化す為に、高ppsで逃げているような気がしました。T氏のお言葉で、正確にマイクロステップが動作し、それを正しく駆動出来る赤道儀であれば、40~70ppsの間で十分ですって事を身を持って体験した形になりました。なので、私も最終的には、ppsを適正値に落とす予定です。

今回の一連の改造は、全て自己責任で行っております。
P070208_5.jpg

さあ、改造が終わりました。早速テストです。

1.初期設定。

私の使っている最終プロトタイプは、計算した値を元に動作レートを本体内のスイッチで16進数で設定するタイプです。早速計算です。今回は恒星時では無く、キングスレートで設定したかったので、86164では無く86190で計算しました。

8424000÷86190=97.74pps
2000000÷97.74=4FEE(16進数)

この値をE-ZEUS内のスイッチに設定していきます。

2.モータードライブテスト。

先ずはパソコン無しでのモータードライブテストです。電源を投入します。でも、まだ赤道儀は動きません。本体のスイッチを押します。赤道儀が動き始めました。コントローラーでRA・DECを動かしてみましょう。無事に動作しています。私のプロトタイプはコントローラでは低速と中速で赤道儀を動かせます。その速度調整は、E-ZEUS本体のボリュームツマミで調整します。中速は導入した天体を写真で撮る場合のアングル調整にピッタリ。低速はオートガイド速度と併用になる為に、念入りに調整。

3.YOCによる自動導入テスト。

さあ、ここからが本番です。一旦、赤道儀の電源切ります。そして、事前にダウンロードして練習していたYOCの出番です。手順通りに赤道儀とパソコンをRS-232Cケーブルで接続し、ソフト側から「接続」を押します。赤道儀が動き始めます。お~!(感動)適当な星を選んで「自動導入」のボタンを押す。キュイ~ン!かっ!カッコイイ!またまた感動。しかし、妙に動きすぎだぞ。

私の最終プロトタイプの場合、YOCのソフトで設定する値は、上記の8424000パルスでは無く、4で割った数値2106000を設定しなければならなかったのです。再度設定し直して仕切り直し。今度は概ね良いようです。

では、極軸を出して、導入精度のテストに参りましょう。

4.YOCのトラブル。

極軸を出して、いよいよ導入精度のテストと思った矢先に、時々YOCが原因不明のエラーを出すようになる。当初私の環境だけでしたが、他の方々でも同じような症状が出始める。T氏に連絡をとって、原因を調べて頂いた結果、最新のXPをロースペックのPCにインストールしてYOCを使用した場合に、命令が間に合わずに遅延を起こしている事が判明。YOCの製作者の方にプログラムを改修して頂き、正常に。ホントに感謝感謝です。後でわかった事ですが、同時期にTheSkyで他社製赤道儀をお使いの方からも、リンクが切れるなんて話を聞きました。どうも、OSがどんどん重くなっているようで…。赤道儀コントロールの為だけに高スペックのPCは使いたくなかったので、良かったです。

5.RAの不調!?

落ち着いてテスト再開です。でも、導入精度にやや不満が…。どうしてもRAだけが回り足りないぞ。仮に195歯を196歯にして値を計算してYOCに与えて動かすと、これが、な!何と綺麗に導入するじゃないか?でも、RAとDECで1歯違うなんて話聞いてないし…。まさかねぇ~。

6.トルク不足で停止!?

恐れていた事が起こりました。トルク不足での停止です。スカイセンサー2000PCはDCモータなので、トルク不足は恒星時駆動時に起こります。俗に言うシャックリ現象です。逆に導入時の高速時には起こりません。しかし、パルスモータは逆なのです。恒星時駆動の時は超パワフルで止まりません。逆に高速時にトルクが落ちるのです。私の場合、高pps信者なので、高ppsを選ぶと、モータを高周波数で回さなければ倍速が出ません。結果、バランスの悪い赤道儀になってしまったのです。反省?

さあ、この状態をどうやってクリアしましょう?続編をお楽しみに。

因みに私のヘラクレス赤道儀は、ご覧のようにピッタリと収まりました。外見からは、改造したってわかりませんね。
P070209_2.jpg