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CCDOPSで撮影しよう Vol.2 キャリブレーション編

CCDOPSで撮影しよう Vol.1からずいぶんと間があいてしまいましたが、続編、キャリブレーション編です。ホント、お待たせしてすみませんでした。

前回のVol.1では、ピント出しと、通常撮影のところまで説明しました。今回は、ダブルチップを生かしたセルフガイドをする為のキャリブレーションを説明します。

キャリブレーションとは、オートガイドシステムが望遠鏡に命令を出す時に、何秒指示すれば望遠鏡がどの程度動くのかを学習させる事をいいます。オートガイド中に星が逃げようとした場合、逆に動作する命令を出して、望遠鏡がズッと星を追尾する事により、カメラでの長時間露光が可能になります。

0.望遠鏡を撮影したい天体に向けましょう。

1.Vol.1の続きです。先ず、Setupボタンを押して、ActiveCCDをTracking Resolution modeをMediumにします。

ccdops8.jpg

2.約2~3秒位の時間指定で一度露光してみましょう。なぜトラッキングチップの画像を得るかというと、CCDOPSのキャリブレーションはイメージ上の一番明るい星で行われます。なので、なのでイメージ上に似た明るさの星があったり、または明るい星が端っこにあったりすると、キャリブレーション中に間違った星を使ったり、星がイメージから外れてエラーになってしまったりします。キャリブレーションを一発で成功させる秘訣として、

似た明るさの星が無い場所を探す。
明るい星が端っこの時は、少しでも真中にもってくる。

この2つを念頭のおいてキャリブレーションすると成功率がグッとアップします。なので、上記二つの条件を満たす場所を望遠鏡のコントローラーで探します。(探す時に、あまり撮影対象から離れすぎないようにね。)

ccdops9.jpg

3.TrackメニューのCalibrateを実行します。Exposure TimeとXTimeとYTimeを設定します。Exposure Timeは露光時間です。XTimeとYTimeは、星の動きを学習する為にここで指定した秒数赤道儀を動作させて、その時間内に星がどれだけ移動したかを学習します。赤道儀の設定にもよりますが、私のシステムの場合、焦点距離が500mmで20秒、1500mmオーバーで5~10秒って感じです。実際に秒数を入れて動き過ぎる時は小さく、動き足らない時は大きくし、その値を覚えておきましょう。

ccdops10.jpg

4.成功すれば下記のような表示になり、OKでキャリブレーション終了です。エラーが出る場合は、2つのお約束+X/YTimeの指定時間の調整を見直して、成功するまでチャレンジして下さい。

ccdops11.jpg


これでキャリブレーションはOKで、後はTrackメニューのSelfGuideを実行すれば良いのですが、セルフガイドの成功率をアップする為に知っておきたいパラメータを数個ご紹介。TrackメニューのAutoguide Parametersを実行して下さい。下記の画面が表示されます。

Aggressivenessは、標準が10です。ガイドを実行した際に、値が+-を行ったり来たりする時は過修正気味ですので、ここの値を少し下げます。ガイド中はガイドウインドでも変更出来ます。

NoiseFilterは、ガイド中のガイド星のイメージに処理を加えるかの設定です。Low-Passを迷わずに選びましょう。そうする事でガイドチップに突発的な明るいノイズが入った時ににもガイドに粘りが出ます。要するにガイド星のイメージをぼかして判断します。なのでピンポイントのノイズでガイドエラーになる事を軽減出来ます。

Backlashは、赤道儀のバックラッシュの値を秒で指定する事が出来ます。バックラッシュの大きな赤道儀にはお勧めのパラメータです。が、シビアに設定するとハンチング(値が+に行ったり-に行ったりを繰り返す)の元になります。もし使用するのであれば、赤道儀の本来のバックラッシュの値の半分位を目安に設定してみましょう。

Minimum move Maximum moveは、赤道儀に指示を出す最短の時間と最長の時間を設定します。計算上この値よりも短い指示時間が計算された場合、指示を止めます。長い時間が計算された時はこの時間だけ指示を出します。ハンチング防止に有効?かもしれませんが、私はいつも初期値のままです。

ccdops12.jpg

さあ、これでキャリブレーションもマスター出来ました。後は、どんどん撮影して撮影ライフを満喫して下さい。