11月5日(日)、大和郡山市立北小学校で「太陽観望会」を開催しました。その際に利用した資料を再編集致しましたので、ご覧下さい。
朝 東の空から登り、夕方 西の空に沈む太陽。夜、空を見上げると、たくさんのお星さまが光っている事は、みんな知っているよね。太陽は、夜空に光っているお星さまと同じ仲間で、「恒星」って呼ばれているお星さまなんだ。太陽は、とても近くで輝いているので、明るくて、大きく見えるんだ。太陽は、ほかのお星さまとちがって、とても近くにあるので、特別な望遠鏡を使うと、とても不思議な模様が見えるんだ。でも、とても明るいので、特別な望遠鏡じゃない普通の望遠鏡ではぜったいに見てはいけないんだよ。覚えておいてね。では、特別な望遠鏡を使うと、どんな模様が見えるのか?
その前に、太陽のしくみを見てみよう。
もしも、太陽の中が見えたら! 図1 のように見えるんだ。中心部は、およそ1500万度。想像もつかない熱さだね。そして、今日、特別な望遠鏡で見る事が出来るのが、太陽の表面の光球表層から彩層の部分なんだ。
特別な望遠鏡を覗くと、オレンジ色に輝く太陽が見えます。それを「光球」と呼びます。およそ6000度。中心部よりは冷たいんだね。そして、光球の中に何やら黒い物が見えるぞ。「黒点」と呼ばれる部分だね。真中の黒いところを「暗部」。その周りのちょっと黒いところを「半暗部」と呼ぶんだ。黒点は、光球より1500度ほど温度が低いんだ。だから、黒く見えるんだね。黒点の周りに、白い模様が見えるぞ。「白斑」と呼ばれる模様だね。光球より100度ほど温度が高いんだ。黒点の周りを、もっと眼を凝らして見てみよう。何やらつぶつぶが見えるぞ。いったい何だろう?「粒状斑」と呼ばれる模様なんだ。太陽の中から熱を表面に運んでいるんだね。ぐつぐつと煮えたぎる音が聞こえそうだ。太陽の表面って、思っていたより、色々な模様があってにぎやかだね。
次に、太陽の表面より少し外側を見てみよう。彩層は光球の外にあって、厚みが2000Kmもあるんだ。温度は光球より高く、およそ1万度と言われています。電離水素と言う物質で出来ているので、特別な望遠鏡でも見る事が出来ないんだ。でも、もっと特別な望遠鏡なら見る事が出来るんだよ。Hα望遠鏡と言って、水素のHαの光だけを見る事の出来る望遠鏡なんだ。では、Hα望遠鏡で太陽を見てみよう。太陽の周りに小さな炎が見えるね。これは、紅炎(プロミネンスとも言う)と呼ばれる現象なんだ。そして、太陽自身には、黒い線がうねうねと見えているね。これも紅炎なんだけど、ダークフィラメントと呼ぶ人もいるんだよ。同じ現象なのに、場所によって見え方が違うんだね。ん、何だ。突然太陽の端から、大きな炎が上がった。それは、フレアと呼ばれる現象なんだ。数分から2時間程でおさまる現象なんだけど、滅多に見れない現象なんだ。このフレアって言う大爆発は、時に人間の生活を脅かす事があるんだ。磁気嵐と呼ばれる現象で、通信が出来なくなったり、大停電が発生した事もあるんだ。でも悪い事ばかりでは無く、フレアが良く発生する活動期と呼ばれる時期は、とても綺麗なオーロラが数多く見れるんだよ。
ここからは、特別な望遠鏡でも、Hα望遠鏡でも見えないお話。彩層の外には、コロナと言うガスがあるんだ。温度は100万から200万度と言われてるんだけど、見かけの明るさが太陽光球の100分の1位と、とても暗いんだ。だから普段は見ることが出来ないんだ。でも、皆既日食と言って、お月様が太陽を隠してしまう現象が発生すると、明るい光球の光がさえぎられて、コロナを見ることが出来るんだ。
最後に、特別な道具が無くても簡単に出来る実験があるんだ。用意する物は、長めの「ものさし」。巻尺の方が便利かな? では、巻尺だけでどんな実験をするのかって? 今から指令を出すよ。その通りにやってみよう。
指令1 鉄棒を探せ!
鉄棒を探す?いったい何をするんだろう?
指令2 鉄棒を挟んで、太陽と反対側の地面に注意せよ!
地面に注意?鉄棒の影しかないじゃないか!
指令3 鉄棒を支えている支柱と呼ばれる部分の影の長さを測れ!
支柱って、鉄棒を支えている2本の棒の事? どっちでも良いのかな?
指令4 指令3を、毎日決まった時間に行え!
毎日! この指令が一番難しそうだ。 週に1度でも良いって! それなら出来るかな?
晴れた日の決めた時間に、指令3を行い、その数値を毎日(週一回でも良い)メモして下さい。長く続けると、数値がどんどん変化していくのがわかると思います。なぜ、数値が変わるのか?次回の観測時には、どうなるのか?自分で 何故そうなるのかを考えてみましょう。
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