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観測報告の最近のブログ記事

今年の6月から、機材のメンテナンスで休業状態の天文台でしたが、やっと機材が帰ってきました。現在、最後の調整中。来年からは観望会を再開できそうです。

お楽しみに。

さて、前置きが長くなりましたが、今回はちょっと変わった月面撮影方法のご紹介です。

通常月面写真を撮る時は、望遠鏡にカメラをセットしてパシャ!パシャ!っとシャッターを切っていくのですが、大きな撮影素子を積んだカメラは高価だし、仮にあったとしても、大きな素子隅々まで美しい光を届ける望遠鏡や補正系レンズはとても高価で手が出ません。

今回は80万画素のカメラで、どこまで高価な機材に迫れるかにチャレンジです。

撮影カメラ:DMK31AU03.AS
望遠鏡:31cmF4.5ニュートン反射

1.望遠鏡にカメラをセットし、ひたすら動画撮影します。全部で30カット撮影しました。注意点としては、カメラの設定を変えない事。シャッター速度やその他パラメータは同じ条件で撮影します。

2.RegiStaxでスタック処理し、ウェーブレット処理後、画像を保存。注意点としては、ウェーブレット処理はすべて同じパラメータを使います。

3.すべての画像をPhotoShopのPhotomergeで合成します。ここでの注意点は30枚を一度に処理するとパソコンがフリーズしてしまいます。数枚ずつをセットにして合成し、最後にそれらのセットを合成します。

4.通常はこの方法でOKですが、さすがに30枚もあるとこのままでは至る所に合成ミスが目立ちます。合成ミスの箇所は、手作業でレイヤを使って、正しい情報の画像を使って重ねてやることで修復出来ます。(他にもっとよい方法があるのでしょうが、基本PhotoShopを使いこなせていない...) 

moon_20101224abcde_up.jpg

と、まあ、このような処理を重ねて出来上がったのがこの画像。テスト画像とは言え、結構気に入った画像に仕上がりました。

ただ、残念なところもあって、月の明るいクレーター等が露光オーバーになってしまいました。始めの設定値が不味かったようで、これが悔やまれます。

星空研究会の忘年会に参加しました。場所は「西はりま天文台」です。25名の天文仲間が集まって、画像処理の勉強・食事(宴会)・観望会・撮影・画像処理実践など、とても盛り沢山のイベントでした。

P071208_1S.jpg
勉強会の準備風景

P071208_2S.jpg
世界最大の公開望遠鏡「なゆた」のドーム

17P_20071208S.jpg
グループ棟横のグラウンドで撮影したケロロ軍曹(ホームズ彗星)

今回撮影した場所は、南方面は光害がありますが、天頂から北にかかて素晴らしい空でした。先ず、肉眼でケロロ軍曹が見える事に驚きました。勿論、手持ち双眼鏡があれば、更に良く見えます。

ふたご座流星群の極大日が近かった今回のイベントでしたが、当日で既にZHR20を超えるふたご群が飛んでました。あまりにも天気が素晴らしかったので、10cm対空双眼鏡を出してきて、プチ観望会を開催したんですが、ふたご座を指差して、

「ほら、あそこに二つ星が並んでるでしょ?あれがふたご座。あの辺りを中心に、広い範囲を眺めてると、流星がスッと流れるかも?!」
「ほら!流れた」

ってな感じで、あまりにも出来すぎなお話しですが、ほんと、ふたご座群の説明に困らない夜でした。

先日ペルセウス座のミルファクとニアミスをしたケロロ軍曹ことホームズ彗星ですが、その後もペルセウス座の中をゆっくり・ゆっくりと移動しています。

ケロロ軍曹(ホームズ彗星)、ミルファクをパックリといっちゃって有頂天になったようで、今回、散開星団NGC1245を狙うも、狙いを外したみたい。このまま、どんどんと離れていきます。

でも、諦めの悪いケロロ軍曹(ホームズ彗星)。実は、とんでもない策士で、軌道要素が正しければ、来年の1月22日に同じペルセウス座のアルゴルに10分角未満まで近します。これは前回のミルファク攻略時の20分角未満よりも遥かに凄い接近です。

まだまだ、楽しみなケロロ軍曹(ホームズ彗星)ですが、今回のアルゴル攻略は成功するでしょうか?成功の鍵は、軌道要素の正確さと、ケロロ軍曹の明るさですね。この条件が満たされた時、とても楽しみな現象が見られるかもしれません。

17P_20071203aSS.jpg
2007.12.03 23:38JT

先月バーストして話題のホームズ彗星。当初は空飛ぶ円盤状の形にUFOだって大騒ぎ(我が家だけ?)でしたが、その後もどんどんと拡散して、とうとう見た目の大きさがお月様の大きさを超えてしまいました。実際の大きさは、な!何と太陽よりも大きいんです。今まで太陽が不動の一番だったのに、まさか彗星如きに抜かされるとはと焦っているかも?

当初、まさか、本当にここまで大きくなるとは思っていなかった為、ずっと撮影してきたシステムではカメラの画角を越えてしまって、食み出る始末。連続観察を目指していた私としてはお粗末な結果…。

その後、悪天候や透明度の悪い日が続き、なかなか観察出来ませんでしたが、19日に久しぶりに雲の合間から観察に成功。フィールド用の短焦点望遠鏡をドームに持ち込んでの撮影。いやぁ~、凄いですね。

バースト当初、ホームズ彗星は位置的に太陽の真反対側にいた為、尾っぽが彗星の後ろ側に隠れて見えませんでした。UFOに見えた理由はここにあった訳ですが、幸い日々地球も動いている訳で、最近ではやや斜めから観測出来るようになりました。この形、何かに似てますよね。そう、ケロロ軍曹です。

そのケロロ軍曹、ぺこぽん(地球)の侵略を諦め、ペルセウス座のミルファクを侵略したようで、パックリと食べちゃいました。いやぁ~、これまた驚きました。

17P_20071119_1SS.jpg
2007.11.19 22:54JT

ホームズ彗星の大バーストですが、1日は雨天で観測出来ませんでした。翌2日と3日に連続で観察出来ました。過去の画像と合わせてアップします。

今まで彗星本体のコマ(中心部の明るい所)を中心に画像をまとめてきましたが、とうとう大きくなり過ぎて、そんな事言っていられなくなってきました。カメラの画角には、まだギリギリ収まりますが、食み出るのも時間の問題。4日・5日は曇天・雨天で観測出来ず。観測再開時には、いきなりアウト!かも…。

カメラに収まる収まらないも問題ですが、明るさも問題です。拡散してサイズは順調に大きくなっているようですが、比例してどんどん暗くなってます。口径30cmの望遠鏡で見ても周辺はかなり暗くなってきています。空の透明度の悪さもありますが、それでも暗くなってきてます。後、何日、眼で観察出来るでしょうか…。

17P_20071029and31to1103S.jpg

ホームズ彗星の大バーストですが、31日未明に続き31日夜も撮影出来ました。下り坂の天候でしたが、ギリギリ撮影。滑り込みセーフでした。

「!?」
「何だ!また更に大きくなったなぁ!」

一日足らずでこの成長振り。圧巻です。

翌1日は雨。残念ながら観測出来ず。海外からの情報では、既に月の視直径の半分に達したとか達してないとか…。

17P_20071029and31and31S.jpg

ホームズ彗星の大バーストですが、先日の観測の翌日は生憎の天気。一日空きましたが撮影出来ました。

「!?」
「何だ!この大きさは!」

この彗星、すごいスピードで拡散しているようで、たった中1日空いただけでこの成長ぶり…。徐々に拡散して薄くなるんでしょうけど、このまま広がればお月さん位大きくなるんじゃない?って噂もチラホラと…。

「ご冗談を!」

と笑い飛ばしたい気持ちでしたが、冗談じゃないかもしれませんね。

17P_20071029and31S.jpg

この写真、見てください。UFO発見か?

17P_20071028_S3S.jpg
2007.10.29 AM0:49JT

実は、これ彗星(ほうき星)なんです。今年の5月に太陽に接近し、徐々に遠ざかりつつあった周期彗星17PHolmes(ホームズ彗星)がバースト(突然明るくなる事)を起こした後の画像なんです。今月23日には17等星前後での観測報告がありましたが、その翌日には3等級、さらに日付が変わって25日には2等級台にまで増光したとの観測報告がありました。マスコミ各社でも、突如40万倍に明るくなった彗星というフレーズで報道されました。

この彗星、過去にもバーストを起こした記録が残っています。その時は一週間程でもとの明るさに戻ったそうです。今回もそうなのか?早く見たい。でも天候が悪い。突然の台風の襲来等で天候の回復が遅れて、やっと雲間に撮影出来たのが、29日未明。バーストの一報から4日以上たってましたが、見事でした。望遠鏡でもハッキリと姿がわかります。

でも、ほうき星らしくありませんよね。彗星の尾は、太陽の反対方向に出る習性があります。これは、彗星から発せられたチリ等が太陽風に流されて広がるためなんです。そして、問題なのが太陽と地球と彗星の位置関係なんです。ちょうど地球は彗星と太陽の間に入ってしまってます。なので尾は地球から見て反対方向に伸びています。そして更に悲しい事にどんどん地球から遠ざかっています。ちょうど新幹線を真後ろから見ているような状態ですね。新幹線の顔は見れても、尾にあたる車両は見えません。それが唯一残念と言うか何と言うか…。

この彗星、現在ペルセウス座の辺りにあり、ほぼ一晩中観察出来ます。肉眼では星に見えます。ですので、ペルセウス座の形が少し変わって見えます。双眼鏡ではボンヤリとした部分が見えます。望遠鏡では、写真のようにUFOみたいに見えます。後、何日この状態が続くかわかりませんが、機会があれば是非見て下さい。

皆さん、超新星や新星ってご存知ですか?新星って名前がつくんだから、新しい星が生まれたのかな?と思っちゃいますよね。でも残念。超新星や新星は、「生まれた」では無く、「死んでしまった」が正解なのです。

太陽質量の8倍位までの星(恒星)は、その寿命を終える時にプスっとガスを吐いて、ドーナツ星雲のような惑星状星雲になり、その中心には白色矮星が残ります。太陽質量の8倍以上の星は、その最後に超新星爆発という大爆発を起こしてその寿命を終えます。新星は、超新星よりも爆発の規模が1万倍位小さい爆発で、白色矮星に連星の星のガスが引張られて蓄積し、核融合反応を起こし大爆発が起こるとされています。

さて、世界時間2007年9月18.67日に超新星ハンターとして有名な椛島冨士夫さんと西山浩一さんが、M33銀河に「新星」を発見されました。実は学研都市天文台は、今回、発見報告される前に、偶然M33銀河を撮影し、その発見報告前の画像を持っております。超新星や新星の発見は、努力と運次第です。日々撮影し、過去の画像と比較して新しい星が写っていないかを調べる努力と、その撮影したエリアに新しい星が輝く運が必要です。私は超新星・新星ハンターではありませんので、撮影した過去の画像とを比較したりはしません、が、今回、運の方が見方して報告前撮影となったのです。何だかそれが嬉しくて、自分で発見した気分になってしまいました。私の他にも報告前撮影に成功なさった方がおられます。きっと、その方も私と同じような気持ちなのでは?と思いました。

M33_newstar.jpg
2007.09.18.6194UT


前回、太陽黒点近辺のHα画像の動画をレポートしましたが、学研都市天文台の前身、「学研都市の空」時代に、フレアと言う太陽面での爆発現象を観測していました。2005年9月14日の観測です。Xクラスに分類される非常に大きな爆発でした。当時は膨大な動画データに手をこまねいていましたが、先日のレポートの通り、爆発現象が無くても黒点近辺はめまぐるしく変化している事がわかりましたので、前回のレポート以降、少しずつ処理を積み重ねて、やっと処理が終わりました。

SUN050914H_MOVE_1.jpg
Hα画像動画 2005.9.14 ヘリオス・ワン 5倍バロー ネプチューン100 1/500 500枚スタック画像を83枚で動画

上記画像をクリックすると、WMV形式のファイルが再生されます。サイズは約1.4MBです。太陽面の黒点を特殊なフィルターを通して撮影した画像です。83分間を8.3秒に短縮しています。画像の中で小さなハエみたいなのがチラチラ飛んでいるのは、UFOでも何でも無く、撮影時のカメラのゴミが写りこんでしまいました。手抜き処理ですみません…。

**注意**
当天文台では、太陽観察専用の機材で観測・撮影しています。普通の望遠鏡では絶対に太陽を観察しないで下さい。

「学研都市天文台は普段閉まっていて、本当に天文台なの?」うっ!痛いところを突かれてしまいました。機材調整やら子供の風邪でノビノビになってなかなか観望会が開けません。今日は、閉まってても観測はやってるよ!って事をアピールする為に学研都市天文台お得意の太陽観察のレポートを…。

学研都市天文台は前身の「学研都市の空」で沢山の太陽観察レポートを上げてきましたが、今回はとっておきのレポートを。下記画像は2006年12月11日の太陽面を特殊なフィルターで撮影した画像です。

SUN061211_0041.jpg
Hα画像動画 2006.12.11 AM11:20-PM0:30 ヘリオス・ワン 5倍バロー ネプチューン100 1/500 500枚スタック画像を71枚で動画

上記画像をクリックすると、WMV形式のファイルが再生されます。サイズは約1MBです。太陽面の黒点を特殊なフィルターを通して撮影した画像です。71分間を7.1秒に短縮しています。黒点で小さな発光現象が起こっています。画像の中で小さなハエみたいなのがチラチラ飛んでいるのは、UFOでも何でも無く、撮影時のカメラのゴミが写りこんでしまいました。手抜き処理ですみません…。

**注意**
当天文台では、太陽観察専用の機材で観測・撮影しています。普通の望遠鏡では絶対に太陽を観察しないで下さい。

水星の日面通過のレポートです。

2006.11.9 AM7:43 FC-76 SP26mm CoolPix990 ND2 ND4 D4 1/1000 F6.3

画面中央右よりの小さな黒い点が水星です。そう考えると東のエッジ(画像左側)の黒点が如何に大きいかがわかります。

2006.11.9 AM7:30 ヘリオス・ワン SP20mm Coolpix990 1/62 F4.0

Hαフィルター(水素の波長)が組み込まれた望遠鏡での撮影画像。彩層面と言う太陽の模様が確認出来ます。

2006.11.9 AM7:46-8:57 FC-76 SP20mm CoolPic990 ND2 ND4 D4 1/1000 F4.0

約10分間隔で撮影した画像を合成しました。手持ち時計で適当にシャッターを切ったので移動にムラが出ました。ご愛嬌と言う事で…。

2006.11.9 AM9:07-9:10 FC-76 ナグラー7mm Coolpix990 D4 1/1000 F4.0

日面通過のクライマックスのコマ写真。しかし、この時間帯、大気の状態も悪く、近くの工事現場の振動、電車2本のダブル通過、奥方の掃除機が重なり、画像としては厳しいものに…。最後の最後はカメラを外して、瞼に焼き付けました。次回も見る事が出来るのでしょうか…。

2006.11.9 AM8:43 ヘリオス・ワン 5倍バロー ネプチューン100 1/500 600枚スタック

これは、オマケ画像です。水星の移動速度が意外に速く、1分間撮影した動画を元に画像処理しようと試みましたが、あえなく失敗。前半30秒を使って処理してみました。