モンスターカレンダー

« 2007年7月 »
12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2007年7月14日アーカイブ

惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーンが、2007年6月1日~2008年5月31日まで開催されています。前回は内惑星を検証しましたので、外惑星を検証していきましょう。

<火星>
火星は約2.1~2.2年で地球に接近します。金星と同じで地球に近い為に、追っかけっこの状態になり、地球の公転周期よりも会合周期(2つの惑星が接近する周期)が長くなります。更に、火星の公転軌道が楕円形の為に同じ接近でも遠い接近(小接近)や近い接近(大接近)があったりし、一概に条件が良いとは言えません。

今回のキャンペーン期間中に、火星は中(小かな?)接近します。

2007年12月中旬…視直径は15.9秒です。大気の状態が良ければ天文台の望遠鏡で表面の模様を観察出来ます。

<木星>
木星位遠くなると、会合周期はあまり心配しなくて良くなります。木星と地球は約1.1年で接近します。そして、何よりも太陽系最大の惑星だけあって接近時に望遠鏡で見ると表面を良く観察する事が出来ます。木星で有名な模様として、「大赤斑」があります。

2007年6月上旬…視直径は45.7秒です。夏休みでも、まだまだ観察出来ます。

<土星>
土星は約30年で太陽の周りを一周しています。会合周期は1年とプラス約2週間。土星と言えば?そう輪っかですね。学研都市天文台の望遠鏡でも土星の輪はキレイに見えます。是非皆さんにも見て欲しいです。今シーズンはキャンペーン開始前の2月11日が衝でした。

2008年2月下旬…この頃から春にかけて観望の好機を迎えます。お楽しみに。

<天王星>
会合周期は1年とプラス約5日。ほぼ毎年同じ時期に観察出来ますね。ただ、条件が良くてもとても遠い為、学研都市天文台でもギリギリです。模様の観察は無理です…。

2007年9月中旬…視直径3.67秒。小さいです。

<海王星>
会合周期は1年とプラス約2日。ほぼ毎年同じ時期に観察出来ます。ただ、天王星と同じでとても遠い為に、模様の観察は無理です…。

2007年8月中旬…視直径2.31秒。とても小さいです。

<冥王星>
2006年の国際天文学連合の会議で、惑星の定義の見直しが行われ、冥王星は「惑星」の称号を剥奪されちゃいました。でも、折角だから見てみたいですよね。

2007年6月中旬…視直径0.14秒。

冥王星はキャンペーンからも除外されてます。もともと小さくしか見えませんから、夏休みでも全然OK。木星や海王星を見たついでに、と言っては失礼ですが、そんな感じで見ちゃいましょう。

現在、内惑星・外惑星を合わせて観察スケジュールを製作中。8月に、木星・海王星・冥王星を観察する予定です。金星だけは、出きるだけ早い段階で肉眼で見ておいてね。

惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーンが、2007年6月1日~2008年5月31日まで開催されています。学研都市天文台も、このイベントに連動して観望会参加者の皆様に全ての惑星を見ていただこうと、色々と思案してまいりましたが、このイベント、意外と難しいいんです。何が難しいの?って思うでしょ?今回は、内惑星(地球より内側を周っている惑星)にスポットを当てて検証してみましょう。

<水星>
水星は太陽系で一番太陽に近い所にあります。言い換えると、常に太陽の近くに見えると言う事です。見た目で太陽から一番離れる現象を「最大離角」といい、太陽よりも東側に離れる事を「東方最大離角」、西側に離れる事を「西方最大離角」と言います。さあ、問題です。夕方に水星を観察し易くなるのは、どちらでしょう?夕焼けは西に出来るし、「西方最大離角」かな?正解は、「東方最大離角」です。太陽を中心に考えて、太陽の東側に最も離れる時って事は、太陽が沈んでもまだ空にいるって事です。光度(見た目)の明るさはそこそこ明るいのですが、空がそれ以上に明るいので肉眼で観察するのは難しいです。双眼鏡があればベターですが、太陽が西空にある間は危険です。必ず太陽が沈んでから探しましょう。

今回のキャンペーン期間中に、夕方水星を観察出来るチャンスは4回あります。

2007年6月上旬…太陽が沈んだ時に地上高度21度です。好条件です。
2007年9月下旬…太陽が沈んだ時に地上高度10度です。条件が厳しいです。
2008年1月中旬…同じく地上高度16度。少し条件は良いですが、目標天体が無いです。
2008年5月上旬…地上高度19度。近くにアルデバランがあり見つけ易い。

<金星>
宵の明星・明けの明星として有名な金星です。光度(見た目の明るさ)も明るく、肉眼でも簡単に見つける事が出来ます。今回のキャンペーンでは、楽勝?でも意外とこれも厳しいかも?何故かと言うと、このキャンペーンのスタートが2007年6月1日ってのには、とても意味があるんです。何で梅雨前のこの時期にって思うでしょ?夏休みから始めればいいじゃないと思いますよね。実はこの時期に水星と金星を観察しておかないと厳しいって事だったんです。金星は2007年6月上旬に「東方最大離角」をむかえ、今、見た目上どんどんと太陽に近づいています。じゃあ、次の「東方最大離角」を待てばいいじゃない?って思うでしょ?実は金星と地球は意外と仲が悪いんです。地球と金星が同じような位置関係になるのは約1.6年に1回なんです。なので、今回のキャンペーン期間中には、もう「東方最大離角」は無いんです。8月中旬には太陽と見た目上重なってしまって全くもって観察出来ません。その後は朝にまわります。

今回のキャンペーン期間中に夕方金星を観察出来るチャンスは1回あります。

2007年6月上旬…太陽が沈んだ時に西空で明るく輝いています。

この記事を投稿している段階(2007年7月中旬)で、夕方に西空に輝く金星を絶対に見ておきましょう。もし、この時期に見逃しちゃった方は、秋頃に早起きして、明けの明星を見ましょう。水星に関しては、学研都市天文台でも時期を合わせて観望会を開催予定です。お楽しみに。